. Last Update : 2002.05.31

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オートリトラミラー


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ここで記載している内容はあくまで私個人の備忘録として記録しているものです。部品の購入、加工、取り付け等は各個人の責任において行って下さい。
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ここで記載の部品の品名、品番、価格は購入当時のものであり、その後変更や廃番になる可能性がありますのでご注意下さい。


ボクは車を駐車する時は必ずドアミラーをたたむのですが、よくたたみ忘れることがあります。その度にまたドアを開けてキーを差しONにして、ボタンを押して・・・ ということになってしまいます。
別にミラーをたたまなくても良いのですが、幅の狭い駐車場だったりするとミラーをたたまないと通りにくいですし(ボクが良く行くスーパーの駐車場では必須)、 駐車中に誰かにミラーを引っ掛けられるのもいやですし、まあ何とか言いながら、結局気分的なものなのでしょうけどねぇ・・・(笑)
また、ドアミラーをたたんでから車から降りる時にはミラーで後方を確認することが出来ませんので、後を振り返らなくてはなりません。 しかも最近では、いちいちボタンを押すのも面倒くさくなってきました (^^;
純正オプションや市販品にオートリトラミラーキットがありますが1万円以上します。 そこで回路を自作し、ドアミラーの自動格納化をやってみました。


ドアミラーの自動格納化とは、車に乗ったらドアミラーが自動で開いて、車から降りる時には勝手にミラーが閉じる、ということなんですが、 具体的にどのタイミングで動作させるかというと、
  ●車に乗り込み、キーを差し込むとミラーが開く。
  ●キーを抜いて運転席のドアを開けて閉めるとミラーが閉じる。
というふうにしてみました。

市販品のキットではACCやONにするとミラーが開きますが、これだとエンジンスターターでエンジンをかけてもミラーが開いてしまいます。 幅の狭い駐車場などミラーをたたまないと通れないところで、エンジンスターターを作動させミラーが開いてしまうと、まさに自動改札で「キンコ〜ン、キンコ〜ン」と通せんぼを喰らった状態になってしまいますので、 エンジンがかかっていても、キーを差さなければミラーが開かないようにしました。
また、車から降りた後ドアロックすることでミラーがたたむようにも考えたんですがセキュリティとの兼ね合いもあり、車から降りてドアを閉めるとミラーを閉じるようにしました。 これでも車から降りる時にはミラーは開いていますので、ミラーで後方確認もできます。

回路をしきりに考えたんですが、アコードワゴンのドアミラー回路では非常に難しいことがわかりました。
最近の車のドアミラー格納スイッチはON/OFF式で、ミラーが開いている時と閉じているときのスイッチの高さが違います。 この方式だとONの時とOFFの時のタイミングが違っていてもそう難しくはないのですが、 アコードワゴンでは格納スイッチがワンプッシュ式なので、ミラーを開ける時も閉める時も同じ配線へ電気を一瞬だけ流さなくてはいけません。
同じタイミングで電気を流すようにするのであればまだ良いのですが、ミラーを開けるタイミングと閉めるタイミングは違いますので、 回路を考えるのに苦労しました。(専門家ならやさしいことかもしれませんが・・・汗)



その苦心の回路図が↓です。
本当はICを使えばいいのかもしれませんが、ボクにはまだそこまでの技量がありませんでした・・・(泣)
動作説明をしますと、
【車に乗る時】
・ドアを開けるとRL1が作動し、rl1が切られるのでC1の電気がR1を通じて放電する。
・ドアを閉めるとrl1が復帰しC1に電気が蓄えられる間、R2に一瞬電気が流れる。
・この電流はTR1で増幅され、RL2が一瞬作動しrl2が切られるが、rl3-1で回路が切れているので何の動作も起こらない。
・キーを差し込むとD3を通じて電気が流れ、RL3によりrl3-1が閉じる。
・同時にrl3-2も動作し、C2蓄えられた電気はR4を通じて放電され、またC3に電気が蓄えられている間R8に一瞬電気が流れる。
・この電流はTR2で増幅され、RL4が一瞬作動する。
・rl4が一瞬閉じるので、その閉じている間だけD6に電気が流れ、純正のドアミラー回路へ信号が出されミラーが開く。

【車から降りる時の動作】
・キーを抜くとD3の電流は切られるが、rl3-1を通じてRL3には電気が流れ続けるので、リレーは動作しない。
・ドアを開けるとRL1が作動し、rl1が切られるのでC1の電気がR1を通じて放電する。
・ドアを閉めるとrl1が復帰しC1に電気が蓄えられる間、R2に一瞬電気が流れる。
・この電流はTR1で増幅され、RL2が一瞬作動しrl2が切られるとRL3へも電流も切られ、rl3-1が復帰する。
・同時にrl3-2も復帰し、C3蓄えられた電気はR7を通じて放電され、またC2に電気が蓄えられている間R5に一瞬電気が流れる。
・この電流はTR2で増幅され、RL4が一瞬作動する。
・rl4が一瞬閉じるので、その閉じている間だけD6に電気が流れ、純正のドアミラー回路へ信号が出されミラーが閉じる。

【駐車中の状態】 ・全てのリレーは復帰しており、電流は消費しない。
 (但しR1,R2,R3とR4,R5,R6に電気が流れるが、全部で約0.6mA程度であるので問題ない)



回路の接続方法も苦心しました。
自動格納回路は運転席のキーシリンダーから配線を分岐させますが、純正のドアミラー回路は運転席ドア内にあります。 本来なら運転席からドアへ配線を通してやらなければなりませんが、何とかヒューズボックスに来ている配線へ接続することで出来ないか調べたところやっぱり無理みたいでした。
純正の配線を簡単に書くと、右図の通りです。

ミラースイッチの裏に10Pカプラー(661番)があり、その赤/緑線(5番)へ電気が流れるとドアミラーが作動します。
この赤/緑線は同じドア内のMPCSユニットへ入っており、MPCSユニットは赤/緑線からの信号を受け取るとモーターへ電流を流します。
このモーターはドアロックと同じ極性反転式ですので、モーターを制御するには赤/緑線へ信号を入れなければなりません。
しかしこの赤/緑線はドア内にあるミラースイッチとMPCSユニットとの間しか配線されていない為、運転席からドア内へ配線を通してやらなければなりません。 (ヒューズボックスへはモーターを動かす駆動系の配線しか来ていません)
しかしよくよく配線図を眺めてみると、わざわざ新しく配線を通さなくても運転席からドア内へ電気を送る方法を思いつきました。
この配線を左図のように変えました。赤で囲ったところが変更箇所です。

まず、運転席側のヒューズボックスの18Pカプラー(28番)から、黄/黒線(17番)を抜きます。この抜いたコードと自動格納回路のミラー信号出力線を接続します。 次に、ドア内にあるミラースイッチの黄/黒線を切断し、車両側の切れ端とミラースイッチの赤/緑線とを接続します。逆流防止用にこの赤/緑線にダイオードを付けます。 これで、本来黄/黒線はミラースイッチへの電源で使われていましたが、接続を変更することで自動格納回路からMPCSユニットへの信号出力線となります。

先程切った黄/黒線のミラースイッチ側は、となりにあるパワーウインドゥの20Pカプラ-(660番)の緑/白線(20番)へ接続し、ここからミラースイッチの電源を取ります。



運転席ヒューズボックスの18Pカプラ-を外し、精密ドライバーで端子についている白い端子カバーを外します。
端子カバーを外したら、精密ドライバーで黄/黒線の端子を押さえ、線を引っ張ると外れます。 くれぐれも他の線を抜かないように気を付けましょう。
ピンぼけになってますが、赤丸内が外した黄/黒線です。
これに自動格納回路からの出力線を接続します。
運転席ドアパネルを外し、パワーウインドゥスイッチの端子を抜きます。
赤/緑線にダイオードを取り付け、黄/黒線と赤/緑線を接続します。

す、すいません・・・
ここでデジカメの電池が切れてしまい、続きの写真がありません・・・(滝汗)

上の回路図や接続図でわかると思いますが、 あとはキーシリンダースイッチと運転席ドアスイッチに接続し、常時電源とアースを取って完成です。
電源の途中にスイッチを設け、自動格納をOFFに出来るようにしました。

オフミの後は電池容量に注意だな・・・


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