. Last Update : 2002.02.05

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窒素充填


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タイヤに空気の変わりに窒素を入れてみました。
果たしてどう変わったのか・・・?


巷ではタイヤに窒素を入れることによって、
 1)空気圧の減りが少なくなる。
 2)ハード走行でも圧力変化がない。
 3)タイヤ、ホイールの寿命が延びる。
 4)ロードノイズの低減。
・・・などと言われていますが、果たして本当なのでしょうか?
現に空気の80%は窒素なのに、それほどの効果があるのか考えてみました。



まず、1)の空気圧の減りが少なくなるというのは、酸素分子より窒素分子の方が大きい為、ゴムに対する透過率が窒素の方が低く(=分子がタイヤのゴムを通りにくい)、内圧低下が起きにくいというものです。
酸素分子より窒素分子の方が大きいのは事実だし、ゴム分子(ポリマー)の大きさはどれくらいかは判りませんが、理にかなっていると思います。
しかしながら、実際に目に見えた効果が出るのか疑わしいですね。
ゴムに対する透過率は、窒素は酸素に比べると1/3だそうです。
しかし空気中の約80%は窒素ですので、空気を充填した場合と比べると70%強となります。

次に2)〜4)ですが、これははっきりいって謳い文句も甚だしいです。体感なんて出来っこありません。
2)の内圧変化がないってことですが、常温付近で普通の200〜300kPa程度(一応SI単位で)の圧力で、膨張率に違いが出るとは考えられないです。
そりゃF1や航空機のように、内圧を1000kPa以上かけるタイヤなら、酸素分圧は200kPa程度ある訳ですから差は出るでしょうが・・・
窒素入れたほうが熱ダレが少なくなったというのは、気温の影響が大きいと思います。

3)の寿命が延びるというのは、タイヤ内面やホイールが酸化されないから長持ちするというものらしいですが、 だいたい今までタイヤやホイールが酸化されてダメになったなんて、聞いたことあります?

4)ロードノイズの低減ですが、これは純粋な窒素は空気に比べると音速が上がるそうです。
しかし計算上は空気と純窒素の音速比は1%ちょっと。
この差を聞き分けられる人がいれば紹介して欲しいです。



っとまあ、理屈はこれくらいにして、実際に窒素を入れてみました。
実はウチの会社、窒素あるんです。という訳で、ショップなどで4本2000円程度する窒素充填は、タダでやりました。

実際にタイヤメーカー系のショップでは、減圧してから充填する方法と、常圧開放を3回やる方法と あるみたいです。これまたウチの会社、減圧ポンプもあるんです(笑)。
しかし、減圧で入れ替える方法は一見完璧に入れ替え出来そうですが、タイヤを車につけたままエアを抜のくと同じように、 減圧によりタイヤが傷みそうだし、完全に減圧してしまうとタイヤの耳が落ちてしまいそうなんで、常圧開放を繰り返す方法にしました。

タイヤを車から外し、エアを抜きます。空気を250kPa充填した場合、酸素分圧は約45kPaです。
エアが完全に抜けたら(=大気圧と同じ)、窒素を250kPaまで充填します。この状態で酸素分圧は約14kPaです。
それで充填した窒素を抜きます。完全に抜けたらまた窒素を250kPaまで充填します。これで酸素分圧は約4kPaです。
またまた窒素を抜きます。完全に抜けたら窒素を250kPaまで入れます。これで酸素量は約1%となります。

しかしこの作業、4本+緊急用タイヤ1本抜き替えると、結構時間掛かるんですね。
作業準備を含めると、結局2時間程かかってしまいました・・・



で、結果はどうか。
約1年程経ったところでは、やはり内圧は抜けにくいかな?と思います。
緊急用タイヤは全然減ってませんでした。
まあ内圧が抜けにくいという面では、窒素を入れる効果はありそうです(しかし手放しで絶賛するほどでもない!)。
上の2)以降は、やはり全然体感出来ませんでした。
まあハードに峠を攻めたりはしてませんが・・・

窒素充填の効果は、「俺は窒素入れてるぞ〜」という精神面での効果が大きいようです。(笑)


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